はじめに — この教科書でできるようになること
この教科書は、AIに「質問する」のをやめて、AIに「仕事をさせる」ための教科書です。
多くの人のAIの使い方は、物知りな人に電話で相談するのと同じです。答えは返ってくるけど、作業をするのは自分。でも今のAIは、頼めば実際に手を動かしてくれます。ホームページを作る、書類を作る、パソコンの操作までやる。こういう「作業までやるAI」のことを、AIエージェントと呼びます。
私は千葉県で、企業さんの職場に出向いてこのやり方を教える仕事をしています。この教科書は、その2時間の内容を、遠方の方が自分のペースで進められるように1冊にまとめたものです。実際の現場で「みんなここでつまずく」という場所を先回りして潰してあるので、順番どおりに進めれば大丈夫です。
この教科書で使う道具:Claude Code(クロード コード)
この教科書では、Anthropic(アンソロピック)社のAI「Claude(クロード)」を使います。正確に言うと、Claudeの中の、パソコンを操作して作業までやってくれる機能を使います。この仕組みは「Claude Code」と呼ばれていて、アプリの画面では「Code」という切り替えで出てきます。難しそうな名前ですが、やることは「隣の席のAIに仕事を頼む」だけです。
AIエージェントは、Claudeのほかにもあります。たとえばOpenAI社の「Codex(コデックス)」も同じ種類の道具ですし、GoogleやMicrosoftも似たものを出しています。そして、どれも使い方はほとんど同じです。チャットで頼む、できたものを見る、直させる。だから、この教科書でClaudeが使えるようになれば、あとから別のAIエージェントに乗り換えることも、両方を使い分けることも、自然にできるようになります。車の運転と同じで、1台ちゃんと乗れれば、車種が変わっても運転できます。
その中でこの教科書がClaudeを選ぶ理由は2つです。
- 私が自分の仕事で毎日使い込んでいるのがこれだから。 教材で嘘をつかないためには、自分が一番よく知っている道具で教えるのが誠実だと思っています
- 初心者がつまずく場所を、実際の現場で全部見てきたから。 この教科書の手順は、その経験をもとに作ってあります
この教科書でできるようになること
- お店のホームページ(練習用)を作って、本物のインターネットに公開します
- 自分用の小さなアプリを作って、スマホのホーム画面に置きます
- 繰り返しの作業をAIに「覚えさせて」、決まった時間に自動でやってもらいます
- 練習のあとは、実際の自分の仕事を1つ任せて、かかる時間がどれだけ減るかを体験します
- 見積もり計算機やチェックリストなど、仕事で毎日使う道具も自分で作ります
- お客さんの情報を扱うときの守り方(合言葉のかけ方と、入れていいものの線引き)まで覚えます
パソコンの知識は要りません。プログラミングも覚えません。覚えるのは「AIへの頼み方」だけです。
進め方
- Step 0 から順番に進めてください。飛ばすと後でつまずきます
- 1つのStepは30分〜1時間くらい。1日1Stepでも、週末にまとめてでも大丈夫です
- うまくいかないときの対処は各Stepの最後に書いてあります。それでもダメなときの合言葉は「今の画面をAIに見せて聞く」です
かかるお金(正直に書きます)
- この教科書代のほかに、Claude(クロード)というAIの有料プラン代が月額約20ドル(日本円で3,000円前後。為替で多少変わります)かかります
- ホームページの公開は無料の仕組みを使うので、追加のお金はかかりません
全部を覚えようとしなくて大丈夫。まず手を動かした人から使えるようになります。
それでは、Step 0 の準備から始めましょう。
Step 0. 準備 — つまずきの9割はここで防げます
このStepでやること: AIを動かすための道具を3つそろえます。①Claudeアプリ ②有料プラン加入 ③Git(ギット)という部品のインストール。
現場で教えていて、当日の詰まりのほとんどは準備不足です。逆に言うと、ここさえ済ませば残りのStepはすいすい進みます。少し面倒ですが、最初に全部やってしまいましょう。
準備1. Googleアカウントを用意する
最初に、Google(グーグル)のアカウントを1つ用意してください。Gmailを使っている人は、それがそのままGoogleアカウントです。新しく作る必要はありません。
なぜこれが最初かというと、この教科書で使うサービスは、Googleアカウントが共通の鍵になるからです。Claudeも、Step 3で使うCloudflare(ホームページを置く棚)も、「Googleでログイン」を選べば同じ鍵で入れます。新しいパスワードをいくつも覚えずに済みます。
持っていない人は、「Googleアカウント 作成」と検索して作ってください。ここで決めるパスワードは、この教科書でいちばん大事な鍵になります。必ず自分で決めて、なくさないようにメモしておきましょう。
準備2. Claudeアプリを入れる
Claude(クロード)は、この教科書で使うAIの名前です。ChatGPTの仲間ですが、「パソコンを操作して作業までやる」機能に強いのが特長です。
- ブラウザで「Claude ダウンロード」と検索するか、claude.ai/download を開きます
- Windows版(Macの人はMac版)をダウンロードして、インストールします
- アプリを開いて、アカウントを作ります。ログイン方法は、準備1のGoogleアカウントを選ぶのが一番簡単です
準備3. 有料プラン(Pro)に入る
無料でも少し使えますが、この教科書の内容は無料枠だとすぐ上限に当たります。Proプラン(月額約20ドル)に入ってください。
- Claudeの画面から、プランのアップグレードを選びます
- 支払い情報を入れて、Proに加入します
支払いの入力は必ず自分の手でやってください。 この教科書では今後いろんな作業をAIに任せますが、お金とパスワードだけは人間の仕事です。これはずっと変わらないルールです。
準備4. Git(ギット)を入れる — WindowsでもMacでも必要です
ここが最初の山です。先に理由を説明します。
Claudeがあなたのパソコンの中で作業をするには、Git という部品が必要です。工具箱みたいなもので、これが無いとClaudeは作業モード(次のStepで使う「Codeモード」のことです)に入れてくれません。WindowsにもMacにも、買ったままの状態では入っていないので、ほぼ全員インストールが必要です。(やり方はWindowsとMacで違うので、自分のほうだけ読んでください)
Windowsの人
手順はこうです。
- Claudeのチャットに「Gitをインストールしたいので、公式のダウンロードリンクを教えて」と打ちます
- 教えてもらったリンクからインストーラーをダウンロードして、実行します
- インストール中にいろいろ質問されますが、全部そのまま「Next(次へ)」でOKです。設定を変える必要はありません
そして、ここが一番大事なところです。
- インストールが終わったら、Claudeを「完全に」終了して、開き直します
普通に右上の「×」で閉じるだけではダメです。Claudeは×で閉じても、画面の右下(時計の近くにある小さいアイコンの並び。タスクトレイといいます)に隠れて動き続けています。
- 画面右下の「∧」マークを押して、隠れているアイコンを表示します
- Claudeのアイコンを右クリックして、「終了」を選びます
- あらためてClaudeを開き直します
これで、ClaudeがGitを認識します。実際の講習でも、Gitを入れたのに「まだ入っていません」と言われ続けて困ったことがありました。原因はこの「ちゃんと終了していなかった」でした。それでもダメな場合は、パソコンごと再起動すれば直ります。
Macの人
Macのほうが少し楽です。ダウンロードサイトに行く必要はありません。
- ClaudeがGitを求めてきたら、チャットに「Gitを入れたいので、Macでのやり方を教えて」と打ちます
- 案内に従って進めると、途中で「"git"コマンドを実行するには、コマンドライン・デベロッパツールが必要です」という意味の小さな確認画面が出ます
- 「インストール」を押して、終わるまで待ちます(数分かかります)
- 終わったら、Claudeを完全に終了して開き直します。Macの場合は、キーボードでCommand+Qを押すか、画面下のDockにあるClaudeのアイコンを右クリックして「終了」を選びます
それでもダメな場合の対処はWindowsと同じで、パソコンごと再起動です。
準備5.(あとで使うもの)スマホにもClaudeアプリ
必須ではありませんが、スマホにもClaudeアプリを入れておくと、外出先でも同じ調子でAIに頼めます。Step 3 で作ったホームページをスマホで確認するときは、普通のブラウザ(ChromeやSafari)を使うので、これは入れなくても進めます。
準備でつまずくのは恥ずかしいことではありません。現場で教えていても、一番つまずくのはこのStepです。ここさえ越えれば、あとはずっと楽になります。
うまくいかないときは
- インストールの途中で意味のわからない画面が出た → その画面のスクショを撮って、Claudeのチャットに貼って「これはどうすればいい?」と聞いてください。この「画面を見せて聞く」は、教科書全体を通しての奥の手です
- Gitを入れたのに認識されない → 準備4の「完全終了→開き直し」をもう一度。それでもダメならパソコンを再起動
準備おつかれさまでした。ここまでできたら、峠は越えています。次のStepから、いよいよAIに仕事をさせます。
Step 1. 「答えるAI」と「作業するAI」— 頼み方が9割
このStepでできるようになること: AIエージェントとは何かがわかり、一番大事な「2つの言い方」を覚えて、最初の作業を1つやらせます。
チャットAIとAIエージェントの違い
たとえ話で説明します。
チャットAIは、電話の向こうの物知りな相談相手です。「ホームページってどう作るんですか?」と聞けば、作り方を丁寧に教えてくれます。でも、作るのはあなたです。
AIエージェントは、あなたの隣の席に座った新入社員です。「ホームページ作っといて」と言えば、実際に手を動かして作ります。できあがったら「できました、確認お願いします」と持ってきます。
同じAIでも、頼み方ひとつでどちらにもなります。多くの人は、せっかく作業できるAIを相談相手としてしか使っていません。もったいない話です。
作業モード(Code)を開く
Claudeで作業をさせるには、チャット画面から「パソコンを操作できるモード」に切り替えます。画面の中に「Code」という切り替えがあるので、それを選んでください。「はじめに」で紹介したClaude Codeの仕組みが、ここで動き出します。Step 0 の準備が済んでいれば、そのまま使えるはずです。
Codeを選ぶと、最初に「どのフォルダで作業するか」を選ぶ画面が出ます。ここで迷わないように、先に型を決めてしまいましょう。
- デスクトップに「AIしごと場」という名前のフォルダを、自分の手で1つ作ります(デスクトップの何もないところを右クリック→「新規フォルダ」)
- Codeでフォルダを選ぶときは、毎回この「AIしごと場」を選びます
これからこの教科書で作るものは、全部この引き出しの中にたまっていきます。AIに貸している引き出しが1つある、というイメージです。作業がこの中で完結するので、安心にもつながります(くわしくはStep 9で話します)。
もし赤い文字で「Gitが必要です」という意味の表示が出たら、Step 0 の準備4に戻ってください(完全終了→開き直しを忘れていることが多いです)。
一番大事な「2つの言い方」
この教科書で1つだけ持ち帰るとしたら、これです。現場で教えるときも、私はここを一番しつこく言います。
言い方① わからないことは「わからないから任せる」
初心者がやりがちな失敗は、AIに質問された時に、わからない言葉を自分で検索し始めることです。「ファイルはどこに保存しますか?」「形式はどうしますか?」——わからなくて当然です。そういうときは、こう返してください。
「わからないから、任せる」
これで通じます。AIは適切なやり方を選んで進めてくれます。あなたが調べ物をする必要はありません。
言い方② 「やってください」と言われたら、やらせ返す
AIは時々、「では、〇〇のフォルダを開いて、この操作をしてください」と、あなたに作業を頼んできます。ここで素直に自分でやろうとすると、途端に難しくなります。こう返してください。
「パソコンを操作していいので、あなたがやってください」
手を動かすのはAIの仕事です。あなたは社長で、AIは新入社員。新入社員に「これやっといて」と言われて社長が動く会社はありません。
この教科書を通しての合言葉は、「とにかくAIに作業を投げる」です。自分で手を動かしたくなった瞬間こそ、投げどころだと思ってください。頼んでいいのかな、と迷う場面でも、まず投げてみる。できないなら、できないとAIのほうから言ってきます。
この2つさえ覚えれば、専門知識ゼロでも先に進めます。逆に、この2つを知らないと、最初の30分で心が折れます。
もう1つの心構え:最初から100点を求めない
言い方と並んで、もう1つだけ、先に構え方の話をさせてください。ここが本当に大事なところです。
AIに仕事を頼んで最初に出てくるのは、100点の成果物ではありません。だいたい60点から70点のものが出てきます。 これは失敗ではなく、そういうものです。そこから「ここを直して」「もっとこうして」と対話しながら、100点に近づけていく。それがAIエージェントとの正しい付き合い方です。
実際に教えてきた中で、「AIはうまくいかない」と感じてやめてしまう人のほとんどは、使い方が下手なのではありませんでした。最初の1回に100点を求めていただけでした。新入社員の最初の提出物が60点でも、誰もクビにはしませんよね。直させて育てるはずです。AIも同じです。
60点が出てきたら、「なんだ使えないな」ではなく「よし、ここからだ」。この構え方ひとつで、結果がまるで変わります。次のStepで、実際にこれを体験してもらいます。
仕組みは知らなくていい
もう1つ、気を楽にする話をしておきます。この教科書では、仕組みや専門的なことを深く覚える必要はありません。
エアコンがなぜ冷えるのか、電子レンジがなぜ温まるのか。説明できる人はほとんどいませんが、みんな毎日使えています。AIも同じです。中で何が起きているかを知らなくても、使い方さえ覚えれば今日から仕事の道具になります。
だから、わからない言葉が出てきても身構えないでください。覚えるのではなく、「わからないから任せる」で流していい。それでちゃんと前に進めるように、この教科書は作ってあります。
最初の作業をやらせてみる
肩慣らしに、小さい作業を1つ頼んでみましょう。Codeモードで、こう打ってください。
この仕事場の中に「AI練習」という名前のフォルダを作って。その中に、今日の日付と「はじめの一歩」と書いたメモのファイルを1つ入れて。
Claudeが確認を求めてきたら許可してあげてください。終わったら、デスクトップの「AIしごと場」を開いて見てみましょう。フォルダとメモ、できていましたか?
できていたら、それが記念すべき「AIにやらせた最初の仕事」です。
AIに敬語はいりません。「作って」「直して」でOK。短い言葉のほうがむしろ伝わります。
うまくいかないときは
- Codeモードが見つからない → アプリのデザインは時々変わります。チャットで「Codeモードはどこから開くの?」とClaude本人に聞くのが早いです
- 確認の表示がたくさん出て不安 → 最初は1つずつ内容を見て許可すればOKです。慣れてきたら任せる範囲を広げていきます
- 英語のメッセージが出た → そのままコピーしてチャットに貼り、「日本語で説明して」と言えば訳して対処まで教えてくれます
次のStepでは、いよいよ本格的な仕事をさせます。ホームページを1枚、作らせてみましょう。
Step 2. ホームページを作らせてみる — 遠慮しない練習
このStepでできるようになること: AIに「作って」と頼んで、できたものを見て、気に入らないところをダメ出しして直させる。この往復を実際にやってみます。
まずは題材を決めます
今回作るのは、架空のお店のホームページです。実在するお店は使わないでください。勝手に作ったページが本物みたいに見えてしまうと、困る人が出るかもしれません。
迷ったら、これでいきましょう。
「にこにこパン」という名前の、架空の街のパン屋さん
もちろん、自分の好きな架空のお店に変えてもらってもかまいません。花屋でも、定食屋でも、カフェでも大丈夫です。「架空である」ことだけ守ってください。
Codeモードで作らせる
Step 1で使った、パソコンを操作できるモード(Codeモード)を開いてください。そこにこう打ちます。
「にこにこパン」という架空のパン屋さんのホームページを作って。1枚もので大丈夫です。
これだけでいいです。色も、レイアウトも、文章も、全部AIに任せてしまってください。細かく指定しなくていいのが、このStepの大事なところです。
- Codeモードのチャットに、上の文章を打ちます
- Claudeが確認を求めてきたら、許可します
- しばらく待ちます。ホームページのファイル(拡張子が「.html」のファイル)ができあがります
できたものを、まず見る
- できあがったファイルの場所を、Claudeに聞きます。「どこに保存した?」でOKです
- そのファイルをダブルクリックして開きます。ブラウザ(ChromeやEdge)が立ち上がって、ホームページが表示されます。ファイルを探すのが面倒なら、ここもStep 1の要領で「あなたがファイルを開いて見せて」と頼んでしまってOKです
この時点で「思っていたのと違う」となるのが普通です。それでいいんです。Step 1で話した「まず60点が出てくる」が、今まさに目の前にある状態です。ここから対話で100点に近づけていきます。
ダメ出しの往復をやる
Codeモードのチャットに戻って、気になったところを伝えます。うまい言葉が思いつかなくてもかまいません。現場で実際によく出てくる頼み方は、だいたいこんな感じです。
- 「もうちょっと明るい色にして」
- 「電話番号を書く欄がないから、足して」
- 「なんか固い感じがする。もっと親しみやすい雰囲気にして」
3つ目のような、ふわっとした言い方でも大丈夫です。「固い感じ」が具体的に何を指すかは、AIのほうで考えて直してくれます。数値や専門用語で正確に伝える必要はありません。
この「頼む→見る→直させる」を、最低でも3回は繰り返してみてください。直すたびに、さっきと同じようにファイルを開き直して確認します。
慣れてきたら、こんな頼み方も試してみてください。
- 「メニューの写真を、もっと大きく見せて」
- 「一番上に、お店の営業時間を目立つように入れて」
数を重ねるほど、頼み方に迷いがなくなっていくのがわかると思います。最初は「なんて言えば伝わるか」を考えていたのが、途中からは思ったことをそのまま口に出すだけになります。この感覚が身につけば、このStepは合格です。
ダメ出しの言葉は雑でいいんです。「なんか違う」でもAIは汲み取ってくれます。うまく言おうとして手が止まるのが、一番もったいない。
途中で、置き場所やファイル名についてClaudeから質問されることがあります。そういうときはStep 1の言い方の出番です。
「わからないから、任せる」
これで進めてもらえます。あなたが決めなきゃいけないことは、実はそんなに多くありません。
遠慮しないことが一番のポイント
このStepで一番覚えてほしいのは、直させ方のコツではなく、遠慮しなくていいということです。
何度直させても、AIは嫌な顔をしません。「さっきも同じこと言ったかな」「これ以上頼んだら悪いかな」——人間の新入社員相手なら必要なその気遣いが、AI相手には一切要りません。気に入るまで、気が済むまで、何度でも直させてください。
うまくいかないときは
- 直したはずなのに変わっていない → ファイルを開き直す前に、ちゃんと保存されたか確認します。「さっきの直し、ちゃんと反映された?」とAIに聞けば教えてくれます
- ブラウザで開いたら崩れて見える → どう崩れているかを言葉で伝えれば直せます。「見た目がおかしい、直して」でも通じます
- 何を直させたらいいか、もう思いつかない → 「他に良くできそうなところはある?」とAI自身に聞いてみてください。向こうから提案してくれます
次はこれを世界に公開します。
Step 3. 公開する — 世界中から見えるようにする
このStepでできるようになること: Step 2で作った架空のパン屋さんのホームページを、実際のインターネットに公開します。誰でもアクセスできるURL(住所のようなもの)を手に入れて、スマホからも見てみます。
公開するとはどういうことか
Step 2で作ったホームページは、今のところあなたのパソコンの中にしか存在しません。自分のパソコンでしか開けない状態です。
これをインターネットに公開すると、URLさえ知っていれば、世界中の誰でも、どのパソコンやスマホからでも開けるようになります。これが「公開する」ということです。
このStepでは、Cloudflare(クラウドフレア)という会社の無料サービスを使います。たとえるなら、作ったホームページを置いておける、無料の棚を貸してくれるサービスです。この棚に置いた瞬間から、インターネット上の住所(URL)が発行されて、誰でも見に来られるようになります。
注意:公開したら誰でも見られます
棚に置く前に、1つだけ確認してください。Step 2のパン屋さんのホームページには、本名や本物の電話番号、実在の住所を書いていませんよね。練習用のページは、公開すると本当に世界中から見えてしまいます。架空の情報のままにしておいてください。もし本名などを書いてしまっていたら、公開する前に架空のものに直させましょう。
Cloudflareのアカウントを作る
- ブラウザで「Cloudflare」と検索するか、cloudflare.com を開きます
- 新規登録という意味のボタン(「Sign up」など)を探して押します
- 登録画面に「Googleで続行」という意味のボタンがあるので、それを押します
- Step 0 の準備1で用意したGoogleアカウントを選びます。これだけで登録完了です。新しいパスワードを覚える必要はありません
もしGoogleのボタンが見つからない画面だったら、メールアドレスとパスワードを入力する方式で登録してもかまいません。
アカウントを選ぶ操作やパスワードの入力は、必ず自分の手でやってください。 Step 0でも言いましたが、お金とパスワードに関わることは、この教科書を通じてずっとAIに任せない部分です。無料プランなのでお金はかかりません。
画面は英語です。びっくりするかもしれませんが、押す場所は決まった位置にあるので大丈夫です。わからない単語が出るたびに、Claudeのチャットに聞けば教えてくれます。
置く作業は、AIに投げてOK
アカウントさえ自分で作ってしまえば、棚に置く作業そのものはAIに任せられます。Step 1の合言葉「とにかくAIに作業を投げる」の出番です。Codeモードでこう頼んでください。
さっき作ったパン屋のホームページを、Cloudflareで公開して。やり方はわからないから任せる。
Claudeが自分のやり方を選んで、公開まで進めてくれます。パソコンの環境によって、ブラウザを直接操作することもあれば、裏方の道具を使って進めることもありますが、どちらでも結果は同じです。途中でブラウザが開いて、Cloudflareのログインや「許可」を求める画面が出たら、そこだけは自分で押してください(Step 0の約束どおり、パスワードとアカウント選びはAIに任せない部分です)。
1つだけコツがあります。AIがブラウザを操作している間だけは、そのブラウザの画面を前に出したままにしておいてください。 別の窓を上にかぶせたり、最小化したりすると、操作が途中で止まってしまうことがあるからです。
これは「ブラウザを操作させているとき」だけの注意です。普段の作業(文章を書かせる、ファイルを作らせるなど)は、任せている間に自分は別のことをしていて大丈夫です。むしろその待ち時間に自分の仕事を進められるのが、AIに任せる一番の旨みです。
ちなみに、この「作ったものをインターネットに置いて公開する作業」のことを、専門用語でデプロイと言います。AIも「デプロイしますか?」「デプロイが完了しました」という言い方をよくしてくるので、この言葉だけは覚えておくと会話がスムーズです。意味は難しく考えなくて大丈夫。さっきの図のとおり、「棚に品出しする」くらいのイメージで十分です。
自分でやる場合①:ホームページを置く場所を開く
うまくいかないときや、仕組みをのぞいてみたいときのために、自分の手でやる方法も載せておきます(AIに任せてうまくいった人は、読み飛ばしてかまいません)。
- Cloudflareにログインしたら、操作盤(ダッシュボードといいます)の中から、サイトを置くためのコーナーを探します。「Workers & Pages」という名前で並んでいるはずです
- 新しく作る、という意味のボタン(「Create」など)を押します
- 「Pages」というほうを選びます。フォルダをそのままアップロードする、という意味の選択肢が出てくるので、それを選びます
- 置き場所の名前を決めるように言われます。半角の英数字で、好きな名前を入力してください(例:「nikoniko-pan」)。この名前は、あとで発行されるURLの一部になります
- 作成する、という意味のボタンを押します
このあたりのボタンの正確な文言は、Cloudflare側の更新で変わることがあります。「それらしい単語」を探せば大丈夫です。迷ったら、その画面のスクショを撮ってClaudeのチャットに貼り、「ここからどう進めればいい?」と聞いてください。これがStep 0から続く、この教科書いちばんの逃げ道です。
自分でやる場合②:フォルダをドラッグ&ドロップする
- Step 2で作ったホームページのファイルが入っているフォルダを、パソコンの中から探します。場所がわからなければ、Claudeに「あのファイルどこにあるんだっけ?」と聞けば教えてくれます
- そのフォルダを、さっき開いたCloudflareの画面の中に、マウスでつかんで、そのままドラッグ&ドロップします
- アップロードが終わるまで、少し待ちます
- 最後に、公開する、という意味のボタン(「Deploy」など)を押します
これだけです。難しい操作は一切ありません。フォルダを持っていって、画面の上に落として、最後にボタンを1つ押すだけです。
発行されたURLをスマホで見る
アップロードが終わると、「〜.pages.dev」という形のURLが発行されます。これが、あなたのホームページのインターネット上の住所です。
- 発行されたURLをコピーします
- スマホのメモアプリやLINEなど、自分あてに送れるところに貼って送ります
- スマホでそのURLを開きます
自分が作ったホームページが、スマホのブラウザで開けたら成功です。パソコンの中だけにあったものが、ちゃんと世界に出た瞬間です。
発行されたURLは、世界にひとつだけのあなたの住所です。家族に送って見てもらうと、「公開した」実感が一気にわきます。
うまくいかないときは
- AIに任せたら、操作が途中で止まった → ブラウザの画面が別の窓の後ろに隠れていないか確認してください。前に出してから「続けて」と言えば、再開してくれます
- ドラッグ&ドロップしてもアップロードが始まらない → フォルダごとではなく、中のファイルを1つだけ選んで試してみてください。それでもダメなら、画面のスクショをClaudeに見せて聞きます
- 画面のどこに何があるかわからなくなった → 迷ったらスクショを撮ってClaudeのチャットに貼り、「今この画面のどこを押せばいい?」と聞くのが一番早いです
- URLを開いてもエラーが出る → アップロードが完了しきっていない可能性があります。少し待ってから、もう一度開いてみてください
次は自分用のアプリを作ります。
Step 4. アプリを作る — 自分専用の道具をスマホに置く
このStepでできるようになること: 自分用の小さい道具(アプリ)を1つ作って、パソコンで確認したあと、スマホのホーム画面にアイコンとして置けるようになります。
「アプリを作る」と聞いて身構えなくていい
アプリと聞くと、アプリストアに並ぶような立派なものを想像するかもしれません。ここで作るのはそれとは違います。自分と身近な人が今日使えればそれでいい、小さな道具です。ボタンを押したら何かが起きる。それだけのものでも、立派にアプリと呼んでいいものです。
今回の題材は「おみくじアプリ」にします。ボタンを押すと、今日の運勢が出てくるだけのシンプルなものです。同じ作り方で、「休憩タイマー」や「日替わりの掃除当番決め」のような、仕事で使う道具に変えることもできます。慣れてきたら、自分の職場で使えそうなものに置き換えて頼んでみてください。
作るものが何であっても、Claudeへの頼み方の骨組みは同じです。「何をするアプリか」「ボタンを押したら何が起きるか」「見た目の雰囲気」の3つを伝えれば、あとは向こうが形にしてくれます。細かい仕組みまで説明する必要はありません。
手順
- Codeモードで、Claudeにこう頼みます。
ボタンを押すとおみくじが引ける、1枚もののアプリを作って。スマホで見やすい大きさの文字とボタンにして。
- Claudeが確認を求めてきたら、許可します。作業が終わるまで少し待ちます。
- できあがったファイルをパソコンでダブルクリックして開き、実際にボタンを押してみます。運勢がちゃんと出てくるか確かめてください。
- 気になるところがあれば、Step 2 でやった要領で直させます。「文字が小さい」「ボタンの色を変えたい」など、遠慮なく伝えて大丈夫です。
- 動きに満足したら、公開します。ここもStep 3と同じで、「これもCloudflareにデプロイ(公開)して」とAIに投げればOKです。ブラウザ操作の間だけ画面を前に出しておくコツも、Step 3と同じです。
- 発行されたURLを、今度はスマホのブラウザで開きます。
スマホのホーム画面にアイコンを置く
ここまでできたら、あと一手間で「アプリらしく」なります。ホーム画面に、専用のアイコンとして置いてしまいましょう。一度置いてしまえば、次からはブラウザを開かずに、アイコンをタップするだけで使えます。
Androidの場合
- Chromeでアプリのページを開いた状態にします。
- 画面右上の、点が3つ縦に並んだマーク(メニュー)をタップします。
- 「ホーム画面に追加」という意味の項目を選びます。
iPhoneの場合
- Safariでアプリのページを開いた状態にします。
- 画面下(または上)の、四角から矢印が上に伸びたマーク(共有ボタン)をタップします。
- 「ホーム画面に追加」を選びます。
これで、今までは業者さんにお金を払って作ってもらっていたようなものを、自分の手で今日作ったことになります。
ポイントとして持ち帰ってほしいこと
「アプリを作る」は「アプリストアに出す」ことではありません。審査も申請もいりません。今日決めて、今日作って、今日使い始められる。これがAIエージェントと組んだときの一番の強みです。仕事でちょっと面倒だと思っている繰り返しの作業があれば、次はそれをアプリにできないか、一度Claudeに相談してみてください。
ここで作ったアプリを家族や従業員に見せてみてください。「え、作れるの?」という反応が、続ける一番の燃料になります。
仕事向けのアイデアに変えるなら
おみくじの仕組みがわかると、実は結構いろんなことに応用できます。たとえば、こんな置き換え方があります。
- 休憩タイマー: ボタンを押すと10分・20分・30分から選べて、時間になったら音が鳴る。休憩室のタブレットに置いておけば、みんなで使えます
- 日替わりの掃除当番決め: 名前を何人か登録しておいて、ボタンを押すと今日の担当がランダムで表示される。紙のローテーション表を作る手間がなくなります
- 道具の貸出チェック: 貸したい道具の名前と、借りた人の名前を入れると、一覧に記録が残っていく
どれも、頼み方は「ボタンを押すとおみくじが引ける」のところを、やりたいことに置き換えるだけです。難しく考えず、まずは思いついたものを一言で伝えてみてください。
うまくいかないときは
- ボタンを押しても何も起きない → できあがったファイルのスクショか、押したときの画面を貼って「押しても反応しません」とClaudeに伝えてください。原因を探して直してくれます
- 「ホーム画面に追加」の項目が見当たらない → スマホの機種やブラウザのバージョンで、メニューの場所や項目名が少し違うことがあります。「ホーム画面に追加のやり方がわからない」とClaudeに聞けば、今の画面に合わせて教えてくれます
- 公開したはずのURLが開けない → Step 3の「うまくいかないときは」を見返してください
自分専用の道具を1つ作れるようになったら、次は「同じ作業を何度もやらせる」ときの話です。次のStepでは、毎回一から指示を書かなくていいように、AIに手順そのものを覚えさせる方法を練習します。
Step 5. スキル化 — 覚えさせて、次からは一言で
このStepでできるようになること: 何度もやりそうな作業を1つ選んで、AIに手順そのものを覚えさせられるようになります。次からは、長い指示を打たなくても「あれやって」の一言で通じるようになります。
「スキル化」ってどういうこと
ここまでのStepで、Claudeに指示を出して、できたものを直させる、という流れは体験してもらいました。ただ、これを毎回一からやるのは正直めんどうです。特に、月に何度も発生するような決まった作業なら、なおさらです。
そこで使うのが「覚えさせる」という考え方です。新しく入ったスタッフに仕事を教えるのと同じです。最初の1回は、隣について丁寧に教えます。手順を1つずつ確認しながら、間違えたところは直しながら進めます。でも一度ちゃんと教われば、次からは「いつものあれ、お願い」で伝わるようになります。AIも同じです。一度丁寧に手順を教えれば、次からは短い一言で同じ作業をやってくれるようになります。
この「作業の手順を覚えさせたもの」のことを、この教科書では「スキル」と呼びます。名前は覚えなくていいので、考え方だけ持ち帰ってください。
覚えさせたスキルは、1つだけに絞る必要はありません。お知らせ文、請求書のチェック、来客の案内メールなど、繰り返す作業ごとに1つずつ増やしていけます。数が増えても、呼び出すときは毎回短い一言のままです。手間が減っていく感覚を、ぜひ一度体験してみてください。
どんな作業が向いているか
月に何度も、あるいは週に何度も発生する作業が向いています。たとえば、お客さん向けのお知らせ文を作る作業を考えてみます。毎回、書き出しの挨拶があって、本題があって、締めの挨拶がある。文字数の目安もだいたい決まっている。こういう「型が決まっている作業」ほど、覚えさせる効果が大きいです。
逆に、1回きりしかやらない作業は、無理に覚えさせなくてかまいません。「今回だけの特別なお知らせ」のようなものは、その都度Step 1で覚えた頼み方で普通に指示すれば十分です。覚えさせるかどうかの目安は、「これ、また来月も同じことやるな」と思うかどうかです。
手順
- 何度もやりそうな作業を1つ選びます。まずは「お知らせ文を作る」のような、単純なものから始めるのがおすすめです。
- その作業を、Claudeと一緒に1回、最後までやります。ここが一番大事なところです。手を抜かず、直したいところがあれば普通に直させてください。この1回の「一緒にやる」経験が、そのままお手本になります。
- 仕上がったら、こう頼みます。「覚えておいて」だけだと会話が変わったときに忘れられることがあるので、「スキルとして保存して」とはっきり言うのがコツです。
今やった作業を、スキルとして保存して。次から「お知らせ作って」の一言で、同じ手順でできるように。
- Claudeが手順をまとめて、スキルの形で保存してくれます。終わったら「どこに保存した?」と聞いて、保存できたことを確認しておきましょう。
- ここが仕上げの確認です。新しいチャットを開いて、「お知らせ作って」とだけ打ってみます。新しいチャットも、いつもの「AIしごと場」フォルダで開いてください。別の場所で開くと、覚えた手順が見つからないことがあります。前の会話を見ていない状態でも、教えた手順どおりに仕上げてくれたら、覚えさせるのに成功しています。
仕組みは深追いしなくていい
呼び出しの言葉は、自分が言いやすいものでOK。「いつものやつ」でも通じるように覚えさせられます。
「裏側でどうやって覚えているのか」が気になる人もいるかもしれませんが、そこは深く知らなくて大丈夫です。大事なのは、「教えれば覚えてくれる」という体感の方です。細かい作り方や直し方が気になったら、そのときはClaude自身に「これってどういう仕組み?」「もっとうまく覚えさせるにはどうしたらいい?」と聞けば、ちゃんと答えてくれます。仕組みの説明書を読み込むより、そちらの方が早いです。
覚えさせたスキルは、放っておいても勝手に古くなったりはしません。ただ、やり方を変えたくなったら、そのたびに「さっきのスキル、ここだけ変えて」と伝え直せば更新されます。1回作って終わりではなく、育てていくものだと思ってもらうと気が楽です。使っているうちに「ここはこう直した方がいい」と気づく場面も出てくるはずなので、そのたびに直させてください。
うまくいかないときは
- 覚えさせたはずなのに、前と違う仕上がりになる → 「前に教えた手順と同じやり方でやって」と、はっきり伝え直してください。ズレを直させること自体が、次に活きる学習になります
- 「スキルって何のこと?」と聞き返された → 気にせず「さっきやった、お知らせ文を作る手順を覚えておいて」のように、具体的な作業名で伝え直せば通じます
- どの作業を覚えさせればいいかわからない → 「最近よくやってる作業で、覚えさせておいた方がいいものある?」とClaudeに相談してみてください。会話の履歴から拾って提案してくれます
一言で呼び出せる作業が増えてくると、AIとの付き合い方がだいぶ楽になります。次のStepでは、さらにその先へ進みます。覚えさせた作業を、決まった時間に「頼まなくても」やってもらう方法です。
Step 6. スケジュールで自動化 — 頼むことすら、やめてみる
このStepでできるようになること: 決まった時間に決まった作業を、AIが勝手にやってくれる状態を作ります。朝パソコンを開いたら、もう下書きができている。そんな状態です。
Step 5の、その先
Step 5で、作業を覚えさせて「お知らせ作って」の一言で呼び出せるようになりました。ここで気づいた人もいるかもしれません。「毎週やる作業なら、毎週その一言を打つのも手間じゃないか?」——そのとおりです。
新入社員のたとえの続きで言えば、こうなります。仕事を教えた(Step 5)の次は、「毎週月曜の朝は、言われなくてもこれをやっておいて」と言っておく。そうすれば、月曜の朝に指示を出す必要すらなくなります。これがこのStepでやることです。
鉄則:自動でやらせるのは「外に出す一歩手前」まで
先に、一番大事なルールを言います。
自動でやらせるのは「下書きができている」まで。メールを送る、お知らせを貼り出すなど、社外・お客さんに届く最後の1歩は、必ず自分の手でやる。
自動化して一番怖いのは、間違ったものが自分のチェックなしで外に出ることです。逆に言えば、外に出る手前で止めておけば、失敗しても社内で笑い話で済みます。私自身、自分の仕事でいろいろな作業を自動化していますが、このルールだけはずっと守っています。
どんな作業が向いているか
- 毎週・毎月、決まったタイミングでやる作業
- Step 5でスキル化した(=型が決まっている)作業
- 失敗しても取り返しがつく作業(下書き・社内資料・自分用のまとめ)
例:毎週月曜の朝に今週のお知らせ文の下書きを作っておく。毎月1日に、先月の売上メモの集計表を作っておく。毎朝、今日やることの一覧を整理しておく。
手順
- Step 5でスキル化した作業を1つ選びます
- Claudeにこう聞きます
この作業を、毎週月曜の朝9時に自動でやるように設定できる? 設定のやり方はわからないから、任せる。
- Claudeが、スケジュール実行の設定をしてくれます(この機能は「スケジュール」「定期タスク」など、画面によって呼び名が違います。探す必要はありません。聞けば向こうが案内してくれます)
- 設定した日時が来たら、結果を確認します。ちゃんと下書きができていたら成功です
最初の数回は、必ず中身をチェックする
自動化した直後の数回は、できあがったものを必ず自分の目で確認してください。新入社員に「来週から一人でやってみて」と任せた直後は、様子を見ますよね。あれと同じです。2〜3回続けて問題なければ、あとは確認の頻度を落としていって大丈夫です。
最初の自動化は「月曜の朝イチにやっている作業」がおすすめ。週明けの一番忙しい時間が軽くなるので、効果をいちばん実感できます。
うまくいかないときは
- 設定したのに動いていない → パソコンの電源が入っていない時間帯だと、動けないことがあります。「昨日の分、動かなかったみたいだけど何が原因?」とそのまま聞けば、原因と対策を教えてくれます
- そういう機能が見つからないと言われた → プランやアプリの版によって、使える機能に差があることがあります。その場合も慌てずに、「毎週この作業を楽にやる方法、他にない?」と聞いてください。代わりのやり方(例:月曜に一言だけ打てば済む形)を提案してくれます
- 自動でできたものの質がいまいち → Step 5の要領で「ここはこう直して」と手順のほうを直させれば、次回から反映されます
ここまでで、道具の使い方は全部そろいました。次のStepからは、いよいよ練習題材ではなく、あなたの本当の仕事に入っていきます。
Step 7. 実際の仕事を任せる — 練習を、本番に変える
このStepでできるようになること: 練習用の題材ではなく、自分の本当の仕事を1つ選んでAIに任せ、実際に回し始められるようになります。
ここからが本番です
架空のパン屋のホームページ、おみくじアプリ。ここまでの6つのStepは、どれも練習のための題材でした。ここから先は違います。あなたの毎日の仕事の中から、実際に任せるものを1つ選びます。
やることは変わりません。頼む、見る、直させる、覚えさせる。もう身につけた型がそのまま使えます。変わるのは、対象が「練習」から「本物」になることだけです。
何を任せるか。選び方は3条件
いきなり「何でも任せていい」と言われても迷うはずです。最初の1つは、次の3つに当てはまるものを選んでください。
- 週に1回以上やる作業であること — たまにしかやらない作業は、覚えさせる効果が薄いです
- 型が決まっている作業であること — 毎回だいたい同じ流れでやっているものほど向いています
- 間違えても社外に迷惑がかからない作業であること — 送信ボタンを押す前の下書きや、社内だけで使う資料から始めます
いきなりお客さんに直接届くものから始めなくて大丈夫です。まずは下書きの段階で任せて、慣れてから外に出す範囲を広げていけばいいのです。
こんな場面で使えます
- お客さんへの案内文・お詫びメールの下書き — 状況を伝えるだけで、失礼のない文面を作ってくれます。送る前に自分の言葉に近いか一度読み直せば十分です。
- チラシやPOPの文面 — 伝えたいことと、置く場所(店頭、レジ横など)を伝えるだけで、短くまとまった文面の案が出てきます。
- 料金表や価格改定のお知らせ — 新しい金額と理由を伝えれば、角の立たない言い回しで下書きしてくれます。文面はStep 5の要領で「毎回この型で」と覚えさせておくと楽です。
- エクセルの集計や表の整理 — バラバラな入力ルールの表でも、「この形にそろえて」と頼めば整えてくれます。関数の書き方を覚える必要はありません。
- 長い資料の要約 — 取引先から届いた長い資料や契約書も、「3行でまとめて」「気をつけるべき点だけ抜き出して」と頼めます。
- 求人票の下書き — 募集する職種と条件を伝えるだけで、たたき台を作ってくれます。あとは自分の言葉に直すだけです。
- 店のQ&A集づくり — よく聞かれる質問を思いつく限り伝えれば、答え方も含めて一覧に整理してくれます。
- 月ごとの売上メモの整理 — 手書きやバラバラなメモを渡して、「月ごとに集計して表にして」と頼めば形になります。
- アンケートの集計 — 紙やメールで集まった回答を、傾向ごとにまとめさせることもできます。
- 打ち合わせの議事録づくり — 話した内容のメモや録音の書き起こしを渡せば、決まったことと次にやることに分けて整理してくれます。
飲食でも、建設でも、整体でも、小売でも、業種を問わず使える場面ばかりです。自分の仕事に置き換えて、まずは1つ試してみてください。
注意しておきたいこと
お客さんの名前や連絡先、支払いに関わる情報など、個人情報が絡む作業をやらせるときは慎重に扱ってください。作業自体は任せていいですが、仕上がったものをそのまま外に出す前に、最終チェックは必ず自分の目でやってください。AIは手を動かしてくれる相棒であって、責任を持つのはあくまでこちらです。特に、お客さんに送るメールやお知らせは、送信ボタンを押す前に必ず自分で読み返す習慣をつけてください。
進め方:今日の仕事を、そのまま投げるだけ
特別な練習メニューは要りません。私が毎日実際にやっているのは、これだけです。
- 今日やるつもりだった仕事を1つ、そのままAIに投げます。「お客さんへの案内文を作って」「この表を整理して」——それだけです。どれから投げるか迷ったら、さっきの3条件に当てはまるものからで大丈夫です
- 出てきた60点を、いつもの要領で直させて、そのまま仕事に使います
- 使ってみて「これ、また来週もやるな」と思ったら、Step 5の要領でスキルにして覚えさせます
- 毎回決まったタイミングでやる作業になったら、Step 6の要領で自動化まで持っていきます
つまり、AIのための特別な時間を作るのではありません。いつもの仕事を、AIの隣でやるように変えるだけです。効果はわざわざ測らなくても体感でわかります。浮いた時間は、次の仕事にでも、休憩にでも使ってください。
迷ったら、今いちばん「めんどくさいな」と思っている仕事から投げてみてください。楽になる幅が大きいほど、続けたくなります。
頼み方のコツ:3つそろえると、一発目から良くなる
そのまま投げるだけでも仕事になりますが、「思ってたのと違うな」が続くときは、頼むときに次の3つを添えてみてください。
- なんのためか — 「新規のお客さん向けの案内です」「求人の応募を増やしたい」。目的が伝わると、細かく指示しなくても勝手に寄せてきてくれます
- なにを使うか — 「デスクトップの『料金表』のファイルを見て」。材料の場所を伝えると、探し回りや思い込みで作られるのを防げます
- どうなったら合格か — 「A4で1枚」「専門用語なし」「電話番号は必ず入れて」。仕上がりの条件を先に言っておくと、直しの往復が減ります
逆に、やり方の手順を細かく指定する必要はありません。道順はAIに任せて、目的地と合格ラインだけ伝える。人に仕事を頼むときと同じです。
大きめの仕事を頼むときは、最初に「まだ作業はしないで、段取りだけ先に見せて」と言ってみてください。段取りに納得してから進めてもらうと、途中で「そうじゃないのに」となるのを防げます。
うまくいかないときは
- 作ってもらった文面が、思っていた雰囲気と違う → Step 2で練習した通り、遠慮せず直させてください。「もっとやわらかい言い方に」「うちのお店らしくない」のような曖昧な言い方でも伝わります
- どの作業から任せればいいか思いつかない → 「最近やった仕事の中で、AIに任せられそうなものある?」とClaudeに相談してみてください。会話から拾って提案してくれます
- この作業、AIに任せていいのか不安になる → 迷ったら、個人情報やお金が絡む部分は自分の手元でチェックする前提で、まずは下書き作りだけ任せてみてください。最終判断は自分がやると決めておけば、気楽に頼めます
仕事を任せたら、次は仕事の道具も作ってしまいましょう。Step 4で作ったおみくじアプリの作り方は、そのまま仕事の道具に化けます。
Step 8. 仕事アプリを作る — おみくじを仕事の道具に格上げ
このStepでできるようになること: Step 4のおみくじアプリで覚えた作り方を使って、実際の仕事で使う道具を1つ作れるようになります。
おみくじの仕組みは、そのまま仕事に化けます
Step 4では、ボタンを押すと運勢が出るだけの、遊びのようなアプリを作りました。ですが、あの作り方自体は仕事にそのまま使えるものです。「ボタンを押すと何かが起きる」「数字を入れると計算される」「入力すると記録される」——この骨組みを、仕事の場面に置き換えるだけです。
たとえば、こんな道具が今日から作れます。
- 見積もりの概算計算機: 単価と数量を入れると、合計金額がぱっと出る道具です。電卓を叩く手間がなくなります
- 開店前・作業前のチェックリスト: 毎回同じ項目を紙でチェックしているなら、タップするだけの形にできます
- 備品・工具の貸出記録: 何を、誰が、いつ借りたかを入力すると、一覧に残っていきます
- シフトや掃除の当番表: 名前を登録しておけば、今日の担当をぱっと表示できます
- よく使う定型文のコピー集: ボタンを押すとよく使う文面がコピーされる、地味だけど毎日助かる道具です
進め方
- 今、紙やエクセルや頭の中でやっている「表・計算・チェック」の中から1つ選びます
- Claudeに、やりたいことを言葉で説明します。今使っている紙やノートがあれば、写真を撮って見せるのが一番早い近道です
- 「こういう道具を作って」と頼んで、作らせます
- できあがったら、Step 2の要領でダメ出しの往復をします。「この項目も足したい」「もっと大きい文字に」と遠慮なく直させてください
- 満足いく形になったら、Step 3の要領で公開します
- 発行されたURLを、パソコンやスマホのホーム画面に置いておきます
説明の言葉に迷ったら、今使っている紙やエクセルの写真を撮って見せるのが最速です。言葉で説明するより早くて正確。
大事な注意
公開したアプリのURLは、住所を知っていれば誰でも開けてしまいます。社内の当番表や自分用の計算機くらいなら気にしなくて大丈夫ですが、お客さんの名前や連絡先など、人の情報を入れる道具にしたい場合は、もう一段の守り方が必要になります。そのやり方は次のStep 9で扱いますので、ここでは深入りしません。今のStepでは、自分や社内で使う道具づくりに集中してください。
発展: みんなで使う道具にする
作ったアプリのURLは、従業員や家族にも共有できます。同じ住所を伝えるだけで、相手のスマホやパソコンでもそのまま使えます。1人で使うだけのつもりだった道具が、気づけば職場みんなの当たり前の道具になっていた、ということも珍しくありません。
うまくいかないときは
- ボタンを押しても何も起きない → できあがったファイルのスクショか、押したときの画面を貼って「押しても反応しません」とClaudeに伝えてください。原因を探して直してくれます
- 計算結果がおかしい → 「単価1000円、数量3個で試したら、合計が違う結果になった」のように、実際に試した数字を伝えると直しが早いです
- 公開したはずのURLが開けない → Step 3の「うまくいかないときは」を見返してください
自分や社内で使う道具はもう作れるようになりました。次のStep 9では、お客さんの情報を入れたい場合の守り方を扱います。
Step 9. お客さんの情報を扱う — 鍵のかけ方と、入れていいものの線引き
このStepでできるようになること: アプリに合言葉(パスワード)を付けられるようになります。そして、お客さんの情報をどこまで入れていいか、自分で判断できるようになります。
Step 8の道具に、お客さんの名前や予約を入れたくなった人は多いはずです。実際、そこまでできて初めて「仕事に導入した」と言えます。ただし、ここは唯一、慎重さが要るStepです。順番に説明します。
まず、線引きから
先に結論の表を渡します。この教科書の作り方で扱っていいのは、上の2段までです。
- そのまま入れてOK:予約の日時や件数、作業メモ、商品の在庫数など、人の名前が入らない情報
- 合言葉+入れ方の鉄則を守ればOK:お客さんの名前・電話番号・予約内容など、紙の顧客ノートに書くのと同じレベルの情報
- この作り方では入れない:クレジットカード番号、マイナンバー、健康や病気にかかわる情報など、漏れたら謝って済まないもの。これらは専門の仕組み(市販の予約システムや会計サービスなど)に任せる領域です
迷ったときの物差しは「これが紙のノートごと落ちたら、どのくらい困るか」です。謝れば済むレベルなら合言葉付きで。済まないレベルなら入れない。それだけです。
合言葉の付け方
やり方は、もう想像がつくと思います。頼むだけです。お客さんの情報を入れる道具にするときは、2つ目の指定もセットで頼んでください。
このアプリに合言葉を付けて。開くときに合言葉を聞いて、合っていた人だけ使えるようにして。合言葉は「○○○○」で。
あわせて、入力したデータはこの端末の中だけに保存して、インターネット上には送らない作りにして。
これで、URLを開いても合言葉を入れないと中が見えなくなります。従業員と共有するときは、URLと合言葉をセットで伝えます。
1つだけ、正直に言っておきます。この合言葉は「鍵のかかった引き出し」くらいの強さだと思ってください。通りすがりの人には開けられませんが、仕組みに詳しい人が本気で狙えば、合言葉そのものは外されてしまう可能性があります。合言葉は目隠しであって、金庫ではありません。だから、守りの本体は合言葉「ではなく」、さっき2つ目に指定した「データを端末の外に出さない作り」と、次に話す「入れ方の鉄則」のほうです。 この2つが守られていれば、たとえ目隠しを外されても、そこにお客さんのデータはありません。
入れ方の鉄則:作るときに埋め込まない。使うときに入力する
ここがこのStepで一番大事なところです。
お客さんの情報は、できあがったアプリを「使うとき」に、自分の端末で入力してください。やってはいけないのは、作らせるときの指示に実名や電話番号を書いて、最初からアプリの中に埋め込んでしまうことです。
ダメな例:「田中さん090-XXXX、佐藤さん080-XXXXの顧客名簿アプリを作って」
良い例:「名前と電話番号をあとから入力できる顧客メモのアプリを作って」→ できてから自分のスマホで入力する
理由は単純で、作るときに埋め込んだ情報はページそのものの一部になるからです。ページの一部になった情報は、合言葉を付けていても、仕組みに詳しい人には見えてしまう可能性があります。一方、使うときに入力した情報は、次の節で説明するとおりあなたの端末の中に残るだけなので、この心配がありません。
データはどこに保存されているのか
もう1つ、仕組みの話をします。さっき合言葉と一緒に「データはこの端末の中だけに保存して」と指定してもらいました。そう作ってもらったアプリは、使うときに入力したデータが、入力したその端末(スマホやパソコン)の中に保存されます。インターネット上の誰かの手元に送られているわけではありません。
本当にそうなっているか心配なら、できあがったあとにClaude本人に聞いてください。「このアプリ、入力したデータはどこに保存される? インターネットに送っていない?」——ちゃんと説明してくれますし、もし違う作りになっていたら、その場で直させれば済みます。
これは、良い面と不便な面が裏表になっています。
- 良い面:URLを誰かに知られても、あなたが入力したデータまでは見えません。データは端末の外に出ていないからです
- 不便な面:自分のスマホで入力したデータは、パソコンからは見えません。端末ごとに別々の記録になります
「スタッフ全員で同じ記録を見たい」となったら、それはデータを共有する一段上の作りが必要になります。できないわけではないので、必要になったら「みんなで同じデータを見られるようにしたい」とClaudeに相談してください。ただし、お客さんの情報を共有型にするなら、そこは私のような対面サポートや専門家に一度相談してからをおすすめします。
もう1つの習慣:AIへの相談は「Aさん」で
アプリの話から少し広がりますが、同じ「情報の守り方」の話なので、ここでまとめて覚えてください。
Claudeに仕事の相談をするとき、お客さんの実名をそのまま書かない習慣をつけましょう。「常連の田中さんが…」ではなく「常連のAさんが…」で相談する。それで回答の質は変わりません。込み入った電話をするときに店の外へ出るのと同じ、ちょっとした気配りです。
お詫びメールの下書きなど、最終的に実名が必要なものは、下書きを「Aさん」で作らせて、最後に自分で実名に直せば済みます。
迷ったときの物差しは「紙のノートごと落ちたら、どれくらい困るか」。謝れば済むなら黄信号(合言葉+鉄則)、済まないなら赤信号(入れない)です。
うまくいかないときは
- 合言葉を忘れた → 作った本人の強みで、Claudeに「合言葉を変えたい」と頼めば設定し直せます
- 合言葉を付けたら動きがおかしくなった → いつもどおり「合言葉を付けてから○○がおかしい」と伝えて直させてください
- もっと本格的な鍵が必要な気がする → その感覚は正しいです。扱う情報が線引きの3段目に近づいてきたら、無理せず専門の仕組みを使うか、一度相談してください
守り方がわかれば、もう怖がる必要はありません。最後のStepでは、ここまでの道具一式を「使い続けて、育てていく」習慣の話をします。
Step 10. AIを相棒として育てる — 教科書が終わったあとも
このStepでできるようになること: 教科書が終わったあとも、任せる仕事を少しずつ増やし続ける習慣が身につきます。この教科書の最後のStepです。
ここまでで、型は全部そろいました
頼む、見る、直させる、覚えさせる、自動でやらせる、情報を守りながら任せる。ここまでのStepで、AIと仕事をするための型は一通り身につきました。最後のStepでやることは、新しい技を覚えることではありません。この型を、教科書が終わったあとも続けていくための習慣づくりです。
月に1回、棚卸しをする
1ヶ月に1回でいいので、Claudeにこう聞いてみてください。
最近の会話をふまえて、他に任せられそうな仕事ある?
これまでのやり取りを覚えているので、あなたが気づいていない「任せられそうな作業」を向こうから提案してくれます。自分で思いつくのを待つより、こうして聞きに行く方が早いです。ひと月分の仕事を振り返る、ちょっとした棚卸しの時間だと思ってください。
カレンダーに「AIの棚卸し」と月1回の予定を入れてしまうのがおすすめ。習慣は意思ではなく、予定で作るものです。
スキルは、育てるもの
Step 5で覚えさせたスキルは、1回作ったら終わりではありません。使っているうちに「ここはこう直したほうがいい」と気づく場面が必ず出てきます。そのたびに「さっきのスキル、ここだけ直して」と伝え直せば、次から新しいやり方に変わります。最初から完璧を目指す必要はありません。使いながら少しずつ育てていくものです。
失敗も、覚えさせるもの
スキルが「成功のおぼえ書き」なら、失敗にも同じことができます。AIが的外れなことをしたり、やってほしくないことをしたときは、直させて終わりにせず、最後にひとこと足してください。
今のは失敗。「次からは必ず〇〇して」をルールとして覚えて
こう頼んでおけば、同じ注意を毎回くり返さなくてよくなります。口調や呼び方も同じです。「もっとくだけた感じで話して。次からもそれで」と言えば、その話し方が続きます。
家電は買った日がいちばん高性能で、あとは古くなっていくだけです。AIは逆です。うまくいったやり方はスキルに、失敗はルールに。この2つを続けるほど、世界に1つだけの、あなたの仕事専用の相棒に育っていきます。
新しいことは、検索よりまずAIに聞く
「こういうこと、できるのかな?」と思ったとき、つい検索窓に打ち込みたくなりますが、まずはClaude本人に聞いてみてください。
こういうことってできる?
新しい機能が増えたときも、AI自身が一番の説明書です。使い方の情報がどこかに散らばっているより、目の前の相手に直接聞いたほうが、たいてい早くて正確です。
従業員や家族に広げるなら
このやり方が自分の仕事で回り始めたら、周りの人にも教えたくなると思います。教えるときは、この教科書と同じ順番で進めてください。特に、Step 1の「2つの言い方」——「わからないから任せる」「あなたがやってください」——ここから教えるのが一番の近道です。この2つさえ伝われば、あとは実際に触りながら覚えていけます。
困ったときの逃げ道。総復習
最後に、この教科書を通してずっと使ってきた3つの逃げ道をおさらいしておきます。
- 画面のスクショを貼って聞く — 言葉で説明しにくいことは、見せてしまえば早いです
- わからないから任せる — 知らない言葉が出てきても、自分で調べに行かなくて大丈夫です
- 英語やエラーは「日本語で説明して」 — 見慣れない表示が出ても、そのまま貼って聞けば訳して対処まで教えてくれます
うまくいかないときは
- 何を任せればいいか、もうネタ切れに感じる → 焦らなくて大丈夫です。月1回の棚卸しを続けていれば、仕事のやり方が変わるたびに新しい候補が出てきます
- 教えた相手がうまく使えていない → 一度に全部を教えようとせず、Step 1から順番に、1つずつ体験させてください
- 前に覚えさせたスキルの調子がだんだんずれてきた → 気になった時点で「最近ちょっとずれてる気がするから、見直して」と伝えれば直せます。育てるものだと思って、気楽に直させてください
これで、教科書のStepはすべて終わりです。最後に、ここまでの振り返りを「おわりに」でまとめます。
おわりに — 型はもう、全部手の中にあります
この教科書で伝えたかったことは、結局この型だけです。
頼む → 見る → 直させる → 覚えさせる → 自動でやらせる
わからないことは「わからないから任せる」。「やってください」と言われたら「あなたがやってください」とやらせ返す。そして、最初に出てきた60点にがっかりしない。この2つの言い方と心構え、そして上の型さえ手放さなければ、AIは物知りな相談相手から、実際に手を動かしてくれる相棒に変わります。あとは、自分の仕事の場面にどんどん当てはめていくだけです。
最初の1週間で全部やろうとしなくて大丈夫です。1つ回り始めたら2つ目、というペースで、半年後にはずいぶん景色が変わっているはずです。
ここから先、1人で不安なら
実際に自分の仕事に当てはめようとすると、最初の1歩がうまくいかないこともあると思います。そんなときのために、2つだけ案内しておきます。
Y's AIでは、出張でのAI導入サポートをやっています。千葉県内ならどこでも伺いますし、県外の方も相談だけならご遠慮なく。
ホームページ制作も、この教科書でやったような形で、まるごとお願いしていただくこともできます。
詳しくはこちらにまとめてあります。
公式LINEの案内も、ys-ai.netにあります。
実はこの教材も、AIに手伝ってもらいながら作りました。それくらい、もう普通の仕事道具です。次はあなたの番です。
それでは、お疲れさまでした。あなたの仕事が少しでも楽になることを願っています。
この教材のご利用について(お願い)
この教材は、ご購入いただいたご本人と、その職場の中でお使いください。従業員さんやご家族に教えるのに使っていただくのは大歓迎です。
一方で、職場の外の方への配布やコピー、インターネットへの転載、転売はご遠慮ください。1人で作っている教材です。守っていただけたぶんだけ、改訂と次の教材づくりの力になります。
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